マツノヒデマサの温泉取材記
松乃温泉 水香園 旅と温泉の相談室

松乃温泉 水香園
(東京都奥多摩町)
ホテル詳細

●温泉泉質 14.9℃アルカリ性単純硫黄泉(加温・循環)
●温泉効能 美肌・神経痛・リウマチ・筋肉痛・皮膚病・肩こり・冷え性

四季折々の美を飾った3000余坪の庭園に「離れ」をちりばめた旅館

松乃温泉 水香園 こいのぼり 2007年4月27日、快晴。16時30分に車で到着。電車でのアクセスは青梅線川井駅下車、奥多摩道路に降りて徒歩で8分。街道左手に「松乃温泉 水香園」の入り口が見える。ここから川沿いに下ると正面にフロントがある母屋に着く。周りはつつじの群落だが、今はつつじの花は一部のみで、開花情報を訪ねると5月中旬以降だそうだ。きっとつつじの花が満開になる季節は、みごとであろう。山を背景にして多摩川を抱き、3000余坪の庭には四季を彩る木々が植え込まれ、その中にぱらぱらっと離れ7室だけの客室を散りばめた贅沢な趣向はすばらしい。
松乃温泉 水香園 離れ客室
 すぐお部屋に案内していただく。客室はこの母屋を中心にした両脇に散在する離れ和室になる。私のお部屋は東側の211号室で多摩川を見下ろす離れだ。和室3畳+和室4.5畳床の間付、洗面所・トイレ付でガラス窓の縁側で囲まれている。昭和元年の建築物で、82年の歴史を持つ。目の前にかえでの巨木が立ち、その隙間から蛇行した多摩川、川向こうの若草色の雑木林が見える。お茶請けに御岳の銘菓「くるみ最中」とお茶をいただいてゆっくりと景色を楽しむ。文字通りとなりの部屋とは離れているので、プライバシーも満点。別荘に来たような感覚になる。

 まずは段下すぐの温泉棟へ向かうと、仲居さんに「浴室は滑りやすいので気をつけてください」と注意される。手前が男性用、奥が女性用で同じ造りのようだ。浴室は大理石だろうか、浴槽も同じ石造りだ。広さは2m×4mで、すでに入浴客が3人いたが狭くはない。
松乃温泉 水香園 温泉棟 効能豊かな松乃温泉は「夢枕に仙人が訪れその湯元を教えた」という伝説のもと、江戸時代から別名「鹿の湯」として愛されていた温泉である。現在はこの宿がその湯元を守り伝えている。
多摩川を間近に見下ろす大自然の一幅の絵のような景観が目に飛び込んでくる。湯は透明でつるつるしていて、“美人の湯”といわれる湯だ。確かに事前に注意しなければ、けが人が出そうなすべりやすさだ。14度のアルカリ性硫黄単純(加温・循環)で硫黄臭はない。角に源泉の蛇口があり、源泉を出して、口に含むと明らかに硫黄味がする。甘味もある。

松乃温泉 水香園 夕食(一部) 夕食は18時から離れの客室に運んでいただく。梅とりんごの食前酒に始まり、先付けにコシアブラの胡麻和え、焼き物は岩魚の塩焼き、八寸はちまき・ソラマメ・道明寺・大根おろしにアサリ佃煮、いちじくの胡麻和え蒸し。お造りは奥多摩鱒と鰹、きのこ鍋、珍味の茄子のせいろ蒸し(なす・ホタテ・里芋・筍にチーズ和え)、タラノ芽と明日葉・海老のビーフン巻きの天ぷら。この明日葉は仲居さんが自宅周辺で採集されたものという。香の物・ご飯・お吸い物、デザートはチーズケーキにいちご。
松乃温泉 水香園 夕食(せいろ蒸し)奥多摩特産の山の幸・川の幸など、この宿でしか食べられない旬の品々が並ぶ膳がうれしく、満腹にしっかりいただいた。特に茄子のせいろ蒸しといちじくは絶品である。土地柄、鹿肉が手に入るときは、鹿料理を出すこともあるという。(但し、3月中旬〜4月中旬禁猟期間)板長の浜崎二吉氏は都内で修行したあと、この宿で17年勤めているベテラン。いつも新しい挑戦を続けている姿勢が感じられて頼もしい。

松乃温泉 水香園 入口 夜はだんだんと寒くなり、20時前にもう一度入浴に行く。今度は誰もいない。温泉浴室の独り占めである。窓外は暗闇で、やはり明るいうちの入浴がお勧めだ。仲居さんにお布団を敷いていただいた時、「暖房は消しますよね?」と聞くと「昨日は朝2度でしたから、付けたままにしてください」といっていたので24度設定にしていたが、真夜中に暑くなり温度設定を18度に切り替えた。
 翌朝6時18分頃に目が覚め、縁側のカーテンを開けると、正面の山の峰の間から日の出が勢いよく差し込んできて驚いた。多摩川に向かっているので、北向きの部屋と思っていたのだ。川が蛇行しているので、場所によっては東向きになるようだ。この宿の魅力は、こうした自然の起こす変化なのかもしれない。清流多摩川の美しさと清らかさ、四季の樹木や花々の変化、目の前のかえでや若草色の樹木の枝を刺しぬく陽の輝きなど。この宿に宿泊しなければ感じられないことだ。

松乃温泉 水香園 朝食 朝食は隣の離れでいただいた。通常は母屋裏にある四季亭で食事をするのだが、団体客が多いので今回はここでということだった。部屋の造りは211号室と全く同じだった。
野菜サラダに焼き海苔、鮭の塩焼きはお決まりだが、漆塗りの2段お重の下段に煮物ぜんまい・刺身こんにゃく・がんも・さび漬け、上段には卵焼きが二個。この卵焼きが温かく美味しい。大根おろしに白魚、なめこ味噌汁に香の物。朝食を1時間近くかけてゆっくり楽しむことが最近あったかな?と考えながらしばし、贅沢な時間を過ごさせていただいた。


 

松乃温泉 水香園
(東京都奥多摩町)
ホテル詳細


アスパサービス 旅と温泉の相談室 
全国おすすめの温泉宿
 北海道東北関東甲信越東海 | 北陸近畿中国四国九州
療養・湯治の温泉宿秘湯・異色の温泉宿ペットと泊まる温泉宿スパ・レジャー施設のある温泉宿