マツノヒデマサの温泉取材記

俵山温泉 温泉街
俵山温泉 山口屋別館
(山口県長門市)
●温泉泉質 41.2℃のアルカリ性単純泉
●温泉効能 神経痛・筋肉痛・リウマチ・皮膚病
むち打ち症・疲労回復・運動機能障害

川棚温泉 寿旅館
(山口県下関市)
●温泉泉質 42.1℃含弱放射能・カルシウム・ナトリウム−塩化物泉(ラドン32.1キュリー含有)
●温泉効能 胃腸病・腰痛・肩こり・神経痛・リウマチ
婦人病・火傷・切り傷・疲労回復など

西日本最大の湯治場「俵山温泉」と下関の奥座敷「川棚温泉」

俵山温泉「山口屋別館」取材記

俵山温泉 山口屋別館 全景 5月16日、JR美祢線長門市駅からバスで約40分、小雨の中俵山温泉へ向かう。バス停近くに程近い山口屋別館に向かう。広い敷地に本館、別館、旧宅五合庵があり、裏山は熊野山神社につながる熊野山公園である。

 俵山温泉の開湯は、延喜16年(916年)にさかのぼる。白い猿が1匹現れたのを猟師が後を追っていき、白猿が川で傷を洗っているところを射止めた。するとその白猿は紫色の色に包まれた雲に乗り、奥山へと向かう薬師如来の姿があり、その跡に温かい湯が湧き出てきたといわれている。その後は毛利藩お抱えの湯となったという歴史ある温泉だ。現在は温泉宿の経営者に泉源所有権がゆだねられ「合名会社」となって今に残っている。山口屋別館の主人鷲頭信氏は理事長を務めているそうだが、当日は広島へ出張で不在のため残念ながら会うことは出来なかった。玄関で女将に迎えられ、本館2階の和室に案内される。広さは6畳+広縁でウォシュレットのトイレ付。

俵山温泉 山口屋別館 離れ客室 山口屋別館はペットと泊まれる宿でもあり、別館の8畳+8畳の間、五合庵の42畳の離れをペット同伴用に使用している。五合庵は先代が寛保3年(1741年)徳川八代将軍吉宗の時代に給庄屋を務めた数寄屋造りの旧家を移築したもの。囲炉裏の間や本間、次の間など42畳もあり、館内のあちこちに民具、錦絵、書などのコレクションが展示されている。

俵山温泉 白猿の湯 ペット用温泉  俵山温泉は外湯で知られ、ほとんどの旅館・民宿には内湯がないのだが、山口屋別館は豊富な湯を運んで男女別の内湯として用意されている。宿泊客は外湯めぐりも無料で、昔ながらの源泉掛け流しの外湯「町の湯」「川の湯」、さらに平成16年開湯の「白猿の湯」に出かけていく。 外湯「白猿の湯」の敷地内にはペット用の温泉設備もあり、ペットも俵山温泉の湯を楽しむことが出来る。料金は小型犬1,575円・大型犬が2,100円。犬・猫用のグルーミングルームも2棟ある。
それぞれの温泉宿の浴衣に下駄履きの姿には、昔懐かしい風情だ。私も浴衣に着替えて旅館の中心街を通り、木造三階建ての「竹翠亭たけや」などを見ながら「町の湯」方面に向かうことにする。
※俵山温泉外湯巡り巡浴記はこちら

俵山温泉 山口屋別館 夕食俵山温泉 山口屋別館 カレイのから揚げ 夕食はお部屋で俵山の海の幸・山の幸をゆっくりといただいた。海老入り卵豆腐、もずく酢、筍煮、ブリ・鯛・イカ・うにのお造り、鮎の塩焼き、大鯛のカマ、カレイのから揚げ、お吸い物に筍ご飯、デザートはメロン。大きな鯛のカマには驚いた。日本海が近いだけに魚は鮮度がよくうまい!地の食材を、旬にその土地流の食べ方でいただくのが美味しい料理の基本という。

 翌日、つつじの名所といわれる裏の熊野山公園を散策した。頂上には展望台があり、山に囲まれた温泉街が見渡せる。山の奥地によくぞこのような35軒もの旅館や自炊宿を持つ温泉が残されたものだ。

 帰り際、女将さんに「温泉や山口屋別館の歴史を知りたい」というと板倉幸博著「俵山温泉の燭光」を持たせてくれた。バス停に行く前に近くの土産屋の「福田泉月堂」に立ち寄り、その本を手にしたまま名産の「白猿最中」を購入していると、店内の椅子に座っていた老人が「それは私が書いたものだ」とつぶやくのが聞こえてびっくり。「えっ、お父さんが書いたんですか。お会いした記念に署名をしていただきたい」と頼むと道路をはさんだ自宅に行き、大きな本をかかえて持ってきてくださった。「こちらのほうが読みやすいはずだ。これをあげるから読みなさい」という。この大著「峠を越えた人々 ふるさと俵山を拓く」は、古代の歴史や地質から紐解く壮大な著書で、大変な研究者にお会いしたものだ。ありがたく戴き湯本温泉方面へ行くバスの中で読ませていただいた。

川棚温泉「寿旅館」取材記

川棚温泉 寿旅館 全景  翌5月17日、黄波戸温・油谷湾・大河内温泉を巡浴。国道191号線沿いにある川棚温泉駅を左折し、2kmも走ると、下関の奥座敷と言われる川棚温泉に着く。背後に勝陣山や鬼ヶ城山を控えた山裾にある山の温泉だ。温泉街入り口に「元祖 瓦そば たかせ」の店が、旗をたなびかせている。店舗の対面にある観光案内所の女性にも「瓦そば」は、豊浦地方の名物料理で、ぜひ試食するよう勧められ、宿泊予定の「寿旅館」に電話をして、夕食に出してもらうよう頼んだ。
※黄波戸温・油谷湾・大河内・川棚温泉巡浴記はこちら

川棚温泉 種田山頭火 句碑川棚温泉は古い伝説を頼りに寿永2年(1183年)に開湯した温泉である。江戸時代に城下町である萩と下関をつなぐ街道の中継地として御殿湯もあった。放浪の俳人・種田山頭火は昭和7年に訪れ、100日滞在し、多くの句を詠んだことで知られている。

 寿旅館は温泉街突き当たりの竜福山妙清寺に隣接する。この寺には雪舟の庭園や種田山頭火の句碑「涌いて あふれる中に ねている」がある。創業は昭和4年、家庭的で落ち着いた雰囲気の旅館だ。。温泉街の高台にあり眺望が良く、遠く玄界灘・響灘まで一望出来る。私の部屋は2階の和室8畳広縁付き。浴室は長い廊下を抜けていく。
川棚温泉 寿旅館 展望温泉展望温泉の大浴場は半円形のタイル張り浴槽(2×3m)の源泉掛け流しで気持ちが良い。女湯は小さめの湯船。源泉は含弱放射能-カルシウム・ナトリウム−塩化物泉で無色透明。効能として疲労回復・胃腸病・腰痛・肩こり・神経痛・切り傷などがあり、きめ細かな肌をつくる美人の湯として女性にも人気がある。

川棚温泉 寿旅館 瓦そば 夕食膳は別室に運んでいただいた。小鉢は枝豆・鯛の子を寒天で固めた珍味、温泉豆腐、名物料理の瓦そば、お造りは鯛・たこ・イカ・うに、煮物は筍とアジのオロシ添え、天ぷらは海老にこの宿特製のふく(ふぐ)・野菜の数々、お吸い物にご飯。料理はその日の朝、船で取れたての食材を使うので、身の引き締まった本場の味が楽しめる。宿の主人がふぐの調理免許を持っているため、ふくの時期(9月から5月)は、ふく料理が賞味出来る。

 庭には「ペトログラフ岩」なる珍しいものがある。なんでも紀元前2000年に渡来した西セム系シュメール古拙文字だという。ゴルフ場が近いこともあってかプロゴルファーたちが好んでこの宿に宿泊しているそうだ。海釣りや乗馬、リフレッシュパークでの観光基点としても利用されている。
(2007年5月)

 
俵山温泉 山口屋別館
(山口県長門市)


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