奥の細道・日光街道を歩く旅 マツノヒデマサの歩く旅シリーズ
2006年6月21〜22日 
             
奥の細道第11回 芭蕉一宿之跡記念碑入口 クリックで拡大

第11回 日光〜玉生、矢板


 久しぶりの1泊2日の行程。新宿駅で朝食を済ませ、スペーシア日光1号で東武日光駅へ向かう。旅の前日、運悪く仕事で左足首を痛めてしまい、湿布を貼って「どこまで持つのか」と不安な出発である。朝は小雨が降り、大宮あたりで通行人は傘をさしていたが、徐々に曇り空に好転した。
 
 9時15分、東武日光駅を出て、霧降大橋を渡り今市方面へと出発。左右は広い日光運動公園で、右手は日光市民ゴルフ場。しばらくは赤松林、ツツジと紫陽花が植栽されて、今はツツジが通行人の目を楽しませている。つづいて、東照宮晃陽苑、ここは宿泊・会議・レストランなどの諸施設らしい。県立養護学校あたりでY字路のいずれを行くべきかを、交通取締り中の警察官に訪ねる。直進が正解で、今市まで2キロ、国道を左折して大渡までさらに10キロ。ここで本日の宿泊予定していた療養温泉で名高い黒羽の「ホテル美玉の湯」に連絡をすると今日は団体客で満室だと言われてがっかり。どうも昨日からツキがない。
 10時45分、国道121号線を左折し、大渡へ行く道を左手の印刷屋さんで道を訪ねる。2つ目の信号「倉崎」を右折した先が旧道(国道461号線・日光北街道)らしい。このあたりはスーパーや大型店が並ぶ。「芹沼」を左折してすぐ、左手に古い仏像や石塔が立ち並び「矢板まで24キロ、玉生まで16キロ」と表示が出る。
奥の細道第11回 浅間神社 クリックで拡大 100m先の右手に南沢薬師堂がある。近所の人に聞くと目に効く薬師様で、毎年9月に十一面観音像がご開帳だという。この先にもところどころ石仏群が見られる。芹沼に出ると、左手に浅間神社で、大木に大きな草鞋(わらじ)が掛けられている。厄払い大草鞋とか。地名からも泉・沼が多いからか、道路の両脇を流れる農業用水の勢いが強く水音が大きく響く。


 「轟火の見下」バス停前にも小さなお堂と石仏群があり、両脇は緑濃い田んぼが広がる。轟城跡を右手にして下ると、12時19分、大赤松と庚申塔、石仏坐像に出る。12時28分、T字路左角にお堂、石仏坐像が鎮座する。右折し300mして左折する。 空腹を感じてきたが、付近に食堂は見ず、信号の角にうどん食事処まで2キロの看板があったが、2キロ先まで行って戻るのは辛い。ところが7分程歩くと思いがけず「東照温泉旅館福田屋」の看板。駐車場に多くの車が駐車している。「さてこれは評判の良い温泉施設か?」と喜び勇んでフロントへ。
 福田屋はかつて300年前から街道大渡の旅籠屋として営業していたという。源泉は50℃を越すアルカリ性単純泉で、源泉掛け流し、循環・加水・加温・塩素投入なしの温泉だ。一時看板を下ろしたが、平成8年に温泉が湧出し、再び温泉宿として営業を開始したそうだ。湧出口から出る湯は硫黄臭がする。塩素臭がないのがうれしい。「日により湯温が異なるので、温度調整が大変なんですよ」と受付の女性。ここの食事処でようやく昼食をとることが出来た。

 13時25分に旅館を出る。鬼怒川を渡るのだが、手前に簗場が船場亭と青木屋の2軒が営業している。長い橋を渡りきった左手に「川霧の湯」の看板を横目で見ながら右折。湯殿山石塔13時40分、矢板まで18キロの表示がある。30分も行くと醸造所「松の寿」前を通過。このあたりから、雨がぽつぽつと降ってきた。観音寺を過ぎて、左手の自動車修理工場で矢板の温泉旅館事情を尋ね、とりあえず矢板駅まで行くことにする。帰り際に奥様から、疲れるだろうからと飴をいただいた。歩き始めてすぐに小屋掛けの子持地蔵尊坐像、ところどころに湯殿山信仰が厚いのか、湯殿山石塔が多いようだ。
 矢板駅に着いてからが大変だった。路線バスやタクシーのドライバー、駅員さんに相談していろいろと宿を探すが、あいにく平日というのに市内の旅館・ビジネスホテルは満室、氏家駅周辺も同様だ。ようやく電話帳の職業別温泉旅館のページから、「西那須温泉 源泉療養の宿 大鷹の湯」を見つけることが出来た。JR矢板駅より北へ那須塩原駅まで行き、夕食は用意できないというので、西口前の食事処「平成」でほっけ定食にビールで済ませ、タクシーで「大鷹の湯」へ。
 大鷹の湯は“五ッ星源泉の宿”に選ばれたとおり源泉掛け流しにこだわり、レジオネラ菌対策は毎日浴槽の清掃をし、前もってタンクに貯蔵した湯を効率的に給湯している。それだけに療養目的で来るお客が多いようだ。(詳しくは療養温泉突撃取材で紹介)
奥の細道第11回 倉掛薬師堂 クリックで拡大 翌日、午前7時40分にタクシーに迎えに来てもらい、JR東北本線那須塩原駅から矢板駅へ。矢板からの路線バスで「宇都宮大学演習林前」に戻り、歩き始めたのが8時52分。地蔵坂バス停前を通過。下って玉生市街へ左折する。9時30分、「芭蕉一宿之跡記念碑入り口」の表示板を発見し、左折すると祠の奥に山への階段がある。ずっと登って行くと尾形家のお墓に出てしまった。裏へ回り込んで見ると、尾形病院の入り口に記念碑が鎮座していた。元禄二年午後2時芭蕉が玉生に来た時、雷雨に見舞われ宿を頼んだが余りにもみすぼらしく庄屋に宿泊したという。その庄屋を務めていたのが玉生氏で今の尾形家の先祖だという。 矢板市に向かって進むと10時30分、左手に立派な倉掛薬師堂に出る。田んぼに囲まれた場所で参道入り口の両脇に光背石仏坐像が鎮座する。
 11時00分、会合バス停で「館ノ川温泉1キロ」の看板を見つけ、寄り道をすることにした。ところが2キロ歩いても着かず、結局30分歩いてようやく入浴することができた。73℃の源泉掛け流しの湯でナトリウム−塩化物・硫酸塩泉で循環・加温・加水・塩素投入なしの素晴らしい温泉だ。2つの湯船を持つ内風呂と広い露天風呂。露天風呂の中央に黄色い陶器製大壺湯の湧出口から惜しげもなくとうとうと湯があふれ出す。急いで入浴し、旧道とはずれてしまうが、東北道ガードをくぐり川崎城跡(塩谷氏居城)入口に出る。左折してすぐ右手に龍泉寺、対面に正福寺廃寺跡(現薬師堂)堂の中には157cmの等身大の寄木造り薬師如来像が安置されるが秘仏だ。
 遠く左手に「矢板市温泉センター城の湯」の建物が見える。12時42分入館。入浴料500円を支払い、まずレストランで昼食。源泉は42℃と80℃の二本の源泉があるナトリウム−塩化物硫酸塩温泉。内湯は石・タイル張りで露天岩風呂は眺望が良い。循環式・塩素投入のため、特に内湯は塩素臭が強い。露天風呂は外気に吹き飛ばされるのかそれほど感じなかった。効能は特に切り傷、火傷、慢性皮膚病、慢性婦人病動脈硬化症など。13時32分に城の湯温泉を出て、ここから2キロほどで矢板駅に到着する。昨日からの2日で約38kmは歩いただろうか。これで奥の細道は日光から矢板までを踏破したことになる。



第12回 八坂〜黒羽 を読む

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奥の細道第11回 古い仏像や石塔

古い仏像や石塔

奥の細道第11回 南沢薬師堂
南沢薬師堂

奥の細道第11回 石仏坐像
石仏坐像

奥の細道第11回 東照温泉旅館福田屋
東照温泉旅館福田屋

奥の細道第11回 子持ち地蔵尊坐像
子持ち地蔵尊坐像

奥の細道第11回 湯殿山石塔
湯殿山石塔

奥の細道第11回 大鷹の湯
大鷹の湯

奥の細道第11回 正福寺廃寺跡
正福寺廃寺跡

奥の細道第11回 城の湯
城の湯


     
  
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