奥の細道・日光街道を歩く旅 マツノヒデマサの歩く旅シリーズ
2006年7月20〜21日 
             
奥の細道第13回 雲巌寺 クリックで拡大します

第13回 黒羽(雲厳寺)


木啄も 庵はやぶらず        夏木立
  2006年7月20日、早朝3時35分に車で自宅を出る。奥の細道を歩く旅に車で向かうのは初めてだが、前回黒羽で路線バスの便が非常に悪かったことと、全国的に大雨の天気予報で、天候によっては計画の変更もありえるのでやむを得ないとする。

 東北自動車道矢板インターで降りて、佐久山から黒羽へ抜ける。前回歩いたルートをおさらいのように走った。道の駅「那須与一の郷」で休憩する。前回は疲れ果てて、道の駅に隣接する那須神社を参拝することが出来なかったので、敷地内に車を止め参拝する。歳月のせいか拝殿は思ったほど極彩色は感じられなかった。拝殿前に置かれる大小の石灯籠と手水場は黒羽城主大関土佐守高僧が祈願成就祈念して奉納したもので宝永19年(1642年)建立という。

 黒羽に移動して、芭蕉の館に今度はゆっくりと寄ってみる。あじさいはいまだに満開を見せるが、はさみで切り落とした後が気になる。後に咲く花を美しく見せるためか?芭蕉の館の前に鎮座する馬に乗った芭蕉と曾良の像を見る。投句箱と用紙が用意されているので、私も一句
      「城枯れて あじさい満る 黒羽の」(マツノ)奥の細道を歩く第13回 馬に乗った芭蕉と曾良 クリックで拡大します
 8時24分、ようやく雲厳寺行きのバスに乗車する。小型の路線バスは黒羽高校の生徒たちで満席のため、立ったまま15分ほど揺られるカーブに両手を突っ張って体を支える。黒羽高校で全員が降りた後は私ひとり。雲巌寺に到着する頃に運転手さんが「雲厳寺に8時50分について、9時20分発の時間しかないので・・・」と言うが「帰りは歩いていきますから、大丈夫です」と応える。復路12kmは歩くことに決めていた。芭蕉も片道くらいは馬で移動したのだろうから、同じ行程を往復する場合は、片道だけを歩くこともよしとするルールにしよう。

 雲厳寺は10年ほど前に一度観光バスで来たことのある場所で、武茂川の渓流に沿う杉林と楓の木が道路を覆い囲む雰囲気で思い出した。荘厳な雰囲気は時を経ても全く変わっていない。雲厳寺は臨済宗妙心派の名刹で、昔は筑前の聖徳寺、越前の永平寺、紀州の興福寺と並んで、禅宗の日本四大道場と言われたという。奥の細道を歩く第13回 本殿 クリックで拡大します
 入り口の右手に天然記念物の巨大な杉の木(樹齢550年)、苔むした両脇の灯籠、正面に朱塗りの反り橋を渡り、階段を登ると、「神光不味」の額を掲げた豪快・荘厳な山門。くぐると仏殿、さらに裏に回ると本殿がある。この間聞こえるのは、武茂川の激しい流れのせせらぎと蝉時雨、小鳥のさえずりだけ。また一句
「せせらぎと 蝉時雨の 雲厳寺」(マツノ)

 芭蕉は、参禅の師である仏頂和尚の庵が今も残っているか確かめたくて雲厳寺を訪ねた。庵跡は本堂の右手らしいが、今は行くことができない。本堂で参拝し、九十六代住職雲厳憲道書「先哲の言葉」をいただき、9時10分、寺を後にする。武茂川沿いの渓流と白糸の滝や千丈の滝など渓谷はすばらしい。黄門様お手つき石も残る。錦雲橋を過ぎ、金毘羅神社の裏に小仏達が19体、赤い前掛けがかわいい。須佐木の集落を過ぎると上り坂になり、4kmほど行くとようやく下る。「中山」バス停過ぎて、右手に「馬頭観音」文化十数年の彫が認められる。塩畑、清水内を過ぎたところで、もみじマークをつけた白い車が右カーブを曲がりきれずに、田んぼに頭から突っ込んだまま残っているのを見つけた。
 北野上のフジランプ前にお墓があり、入り口に鯛を持つ布袋様と米俵に立つ大黒様、奥に大きな石仏が鎮座する。黒羽市街まで3kmの表示がある。両脇に狭い田んぼが青々とした稲をたゆらせ、初夏の花々が美しい花を競わせる。傾斜が続く為か相変わらずに水量の勢いが強い。黒羽高校を過ぎて、ようやく市街地へ入る。前田T字路を左折し、すぐクランク状に歩き橋を渡ると、11時18分、右手は大雄寺方面だ。看板に「鮎瀬歯科」が見える。歯科医まで鮎とこだわっているのが面白い。そこで一句
  「鮎瀬歯科 鮎づくしなり 黒羽は」(マツノ)
 車を駐車している役場二庁舎に戻る.昼食は黒羽町(今は大田原市に合併した)営の総合交流ターミナルセンターにある温泉「五峰の湯」へ向かう。2階には農村レストラン「ラージヒル」もあり、天ざると鮎の塩焼きをいただく。食事中、雨がぽつぽつ降ってきたので、奥の細道は残念ながら中断し、午後は温泉巡りとする。
 


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第14回 黒羽〜黒磯、那須湯本温泉を読む
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奥の細道を歩く第13回 道の駅「那須与一の郷」

那須の与一の郷

奥の細道を歩く第13回 那須神社
那須神社

奥の細道を歩く第13回 仏殿
雲巌寺 仏殿

奥の細道を歩く第13回 金毘羅神社の裏に小仏
小仏達

奥の細道を歩く第13回 鯛を持つ布袋様と
布袋様と大黒様

     
  
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