奥の細道・日光街道を歩く旅 マツノヒデマサの歩く旅シリーズ
2006年8月3〜4日 
             
奥の細道を歩く第14回 常念寺の句碑 クリックで拡大

第14回
黒羽〜黒磯、那須湯本温泉


野を横に 馬牽きむけよ ほととぎす
 8月3日午前3時30分に起床したはずが、勘違いで1時間遅かったことに気がつく。間抜けな出発となってしまった今回の旅。新幹線で「深川めし」の弁当を、この旅の起点が深川であったことを思い出しながら感慨深くいただく。昨年8月に下見で深川周辺を散策した時に、芭蕉記念館・清澄庭園・採茶庵の跡・芭蕉稲荷などを訪ね、奥の細道が2400kmもあることを改めて知り怖気づき、やはりこの名物の深川めしを食べて戻ったものだった。8時55分に黒磯に到着。今日は黒羽から歩いて那須高久、湯本温泉へと歩くという芭蕉を追っての行程だ。

 バスの便が悪いのが気になり、駅構内観光案内所で聞くとやはり「従来の9時20分が夏時間の10時05分発に変わりました」という。仕方なく、案内所で宿の予約状況を見てくる。弁天温泉はすでに満室、共同浴場の「鹿の湯」に近い旅館をいくつか教えていただいた。
 黒羽行きのバスには地元の方が3名ほど、途中からも時々乗り降りしていた。多賀神社バス停で乗り込んだ2人のおばあさんと共に蚊が入り、バスの運転手がすぐに運転台を離れ、蚊退治を始めるというのどかな光景も見られた。30分ほどで黒羽市街地に入る。那珂橋の手前で降りて、10時38分から前回までの地点から歩き始める。

奥の細道を歩く第14回 玉藻稲荷神社 クリックで拡大 北へ向かい、黒羽向町交差点過ぎて左手にある常念寺へ着く。門前では自転車で来ていた初老の男性が植木屋職人風の男性にお寺の説明を受けている様子。門前の写真を撮っていると、彼は私にも寺と芭蕉との由来を説明してくれた。門前に樹齢250年の赤松、芭蕉直筆といわれる句碑「野を横に 馬牽(ひ)きむけよ ほととぎす」がある。信号角にある紺屋は定休日だったが「馬止」という表示が残っていて、芭蕉の時代の雰囲気が感じられる。信号を一旦西へ行き、すぐに川西JAを右折、北へ方向を変え川西小学校を通過。11時36分、左手に玉藻稲荷神社と書かれた御影石石柱がある。どのくらいの距離があるのか躊躇したが、行くことにした。800mも行くと境内に着く。玉藻稲荷を参拝、近くに芭蕉碑、脇には鏡ヶ池がある。ここは那須の殺生石伝説由来で三浦介義明が九尾の狐を追跡してこの池に映った狐の姿を見て退治したという池だ。「狐塚の跡」石碑を見てから、元来た道に戻りさらに北へ。熱射病にならないように水分の補給に気をつけながらの汗だくの歩きだ。空腹を感じてきた12時10分、タイミングよく右手にレストラン食工房「葡萄」を発見し昼食にする。釜揚げうどんが自慢というが時間がかかるそうなので、牡蠣フライ定食にする。

 12時37分再び炎天下を出発。13分で「乙連沢交差点」を左折、登坂のところにある「羽田小学校」「白鳥の羽田沼」の看板を左折する。さらに最初の狭い十字路を左折すると華奢な羽田小学校の校舎が見えてくる。羽田沼公園で鴨等の写真を撮り、通過。右ゴルフ場、左手に岸農場を通過、間野十字路を右折。登坂の頂上付近に「鍋掛の一里塚」の碑。100mで鍋掛信号を一旦通過すると左隅に清川地蔵尊、延宝7年(1679年)建立の子育て地蔵として知られる。本来はこの先を左折するようだが、戻って信号を右折して黒磯への直行道を行く。途中、暑さをしのぐためよろずやで冷えたところてんを食べ、珍しい葉タバコ畑を見たあと、15時28分、国道4号線の高架をくぐる。最初の信号の左角に十九夜塔・馬頭観音が鎮座する。先のY字路のところに左折「黒磯市街」とあったので、左折すると駅とは方向が違うことに気づき戻って、黒磯駅に着いたのが16時丁度。16時10分初の那須湯本温泉行きのバスに乗る。バスは「那須分岐点」を左折して、赤松とあじさい並木を走る。旧道の高久はもっと東らしい。次はここまで戻って歩かねばならない。

奥の細道を歩く第14回 松尾芭蕉の宿泊地 湯本温泉で降り、今日の宿泊の「中藤屋」に到着する。チェックイン後、3階の部屋に荷を解き、手ぬぐいを入れた袋とカメラをぶら下げて、すぐ裏にある「鹿の湯」へ向かう。


湯を結ぶ 誓いも同じ 石清水

 旧道に出て、龍神の神を右手に通過すると「松尾芭蕉の宿泊地」の表示がある高台の平屋建ての家に突き当たる。元禄2年(1681年)6月4日湯本の五右衛門方に2泊した跡地らしい。 湯川の橋を渡ったすぐ右手に「鹿の湯」があり、手ぬぐいを下げた観光客で賑わっている。1980年12月に入浴したことがあり、26年ぶりの再訪だ。奥の細道を歩く第14回 鹿の湯 クリックで拡大
 入り口は昔の風情で、長い廊下を渡ったところに湯船がある。共同浴場だから荷置きの棚が壁にあり、隣接して幾つかの湯船と38度の打たせ湯が二ヶ所。隣に長方形のかぶり湯が手前にあり、誰も使っていないので、柄杓ですくい頭から10回ほどざぶっとかける。「熱い!」48度の湯に思わず声が出る。かぶりながら目の前の説明文に「昔は大人は200回かぶり湯をした」というのにさらに驚く。1〜2m四方の浴槽が41・42・43・44・46・48度とそれぞれ温度が違う。46度までは入浴してみたが、48度は無理だ。源泉は68度の酸性含硫黄ーカルシウム・硫酸塩・塩化物泉で白濁色の湯。硫酸・メタケイ酸が成分として目立つ。効能は神経痛・筋肉痛・関節痛・胃腸病・婦人病・皮膚病・冷え性・痔疾・疲労回復など。帰り道爽やかな風に当たりながら、そぞろ歩きを楽しんだ。
「南風 熱きかぶり湯 冷やしおり」(マツノ)
 宿に戻り夕食。料理自慢の宿で美味しくいただいた。翌日の那須岳写真撮影のために早く休む。

 翌朝4時30分に宿を出て殺生石から山道を北上して30分、展望台を目指して登り始めるが、久しぶりの山登りは辛い。ちょうど朝日が昇り、那須岳に日が射し始める。さらに先を歩き、那須ホテル(閉鎖中)からも写真撮影を試みてから、戻って宿で朝の入浴(鹿の湯からの引き湯)。朝食後、路線バスで今度はロープウェイまで移動。なかなか納得の行く写真が出来ず苦心するが、昨日に続きの熱暑でこれ以上の無理は危険のため、今回はここまでと諦めて帰りのバスに乗る。汗をふきながら揺られていると、窓からトンボが車内に飛び込んできた。
「那須岳の 帰りのバスに トンボ飛び」(マツノ)
 トンボと言えば小学5〜6年の頃「赤とんぼ 自転車乗りと 競争だ」の句を雑誌に投稿し、1等に選ばれ景品をいただいた思い出がある。ところが中学1年のときにこれと全く同じ句が他の雑誌の佳作に載っているのを発見して、盗作というものがあることを知り驚いたものだった。そんな少年時代の記憶がふと蘇る。
次回は黒磯から旧高久を通り、那須湯本温泉まで歩き、漆塚、芦野方面への旅となる。
 


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