マツノヒデマサの 療養温泉突撃取材記
鎌先温泉 時音の宿 湯主一條 玄関
鎌先温泉 時音(ときね)の宿 湯主一條
(宮城県白石市)

●温泉泉質 ナトリウム-塩化物硫酸塩泉
●温泉効能 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・慢性消化器病・痔病・冷え症・慢性皮膚炎・一般手術後のリハビリなど
●湯治療養 自炊棟あり

伝承600余年のくつろぎ。古より全国に伝えられてきたみちのくの名湯。

鎌先温泉 時音の宿 湯主一條 本館 2002年11月23日、宮城県南蔵王山麓に昔から打ち身・骨折の名湯と名高い鎌先温泉、胃腸の名湯と言われる峨々温泉に取材に出かけた。もう紅葉は遅いが、快晴に恵まれたので蔵王山の雪景色と相まって変化に富んだ景色を眺める旅となった。

 東北新幹線白石蔵王駅から車で15分。東北自動車道白石インター下車15分、白石の城下町にほど近くに六百余年の歴史を持つ鎌先温泉がある。狭い峡谷に囲まれたところに4軒の湯宿が背中を合わせるように建ち、その中でも最古の歴史を持つのが、木造四階建ての「時音の宿 湯主一條」(旧:一條旅館)である。
鎌先温泉 時音の宿 湯主一條 伝説の鎌 鎌先温泉は、生長元年(1428年)、白石の農夫が山中に入り、樵(きこり)をしていたところ、木の根より湯気が立ち上るのを見つけ、持っていた鎌の先で突くと湯が吹き出たという。以来湯小屋をつくり湧き口の上に祠を地主神と祀った。その時の鎌が今も湯主一條に家宝として保存されている。古くは「お留め湯」と呼ばれた浴場に、最上、鈴木、木村屋から伸びた廊下で結ばれ、湯治客が行き来したが、今はそれぞれの泉源を持っている。湯主一條の敷地内に温泉神社があり、昔は縁の下には湯治客の怪我が完治したお礼に松葉杖やギブスを奉納したというが、膨大な量となり処置に困るため今は丁重に断っているそうだ。

 大正14年に再建された湯主一條の木造玄関前には、江戸時代のものかと思われる「旅人宿・営業」「当主一條一平」の古い看板が木造四階建ての風情をいっそうひき立てる。帳場の人に、「随分古い看板ですね。一條旅館の当主は何代目ですか?」と尋ねると「当主一條安弘は二十代目になります。看板の年代はわかりません」と教えてくれた。本館は大正末期から昭和初期に建てられた歴史的な建造物。釘を使わず一本の通し柱によって建てられ、当時の宮大工の建築技術び高さを物語っている。当時そのままの雰囲気が残る白石鎌先温泉のシンボルだ。

鎌先温泉 時音の宿 湯主一條 館内 早速今夜の部屋に案内してもらう。渡り廊下で通路反対側の四階建ての八畳間でトイレは共用。この部分は昭和13年の大雨の土砂崩れで再建されたもの。両隣も客が入り、すでにテレビの音が響いている。部屋には陶器の立派な火鉢に鉄瓶が置かれ、炭火を暖めている。脇には補充の炭が用意され、昔ながらの旅籠屋の風情が体験できる。奥にはオイルヒーターが柔らかい暖房を加えている。
一般客室は37室あり、落ち着いた純和風の部屋とベッドを組み合わせた和洋室が1室のみある。湯治客のための長期滞在用客室が34室あり自炊も可能。料金は素泊まり3,500円 朝食つき4,500円、1泊2食付@7,000円からとなっている。調理室にはガス台があり15分10円、布団・鍋・食器類・自炊設備は完備している。食料品、日用品は売店で調達、野菜などは玄関出てすぐに朝9時から近所の農家からの市が立つ。平日の宿泊客の6割は福島、宮城県からの長期滞在客という。

鎌先温泉 時音の宿 湯主一條 露天風呂 大浴場は、別館にあり(いやしの湯)タイル造りの湯船だ。先客のおじいさんに声をかける。石巻から来たそうだ。交通事故で全身打撲の孫とその母と3人で湯治生活9日目になるという。「この温泉が打ち身に効くと知っていたんで、事故の後にすぐここに来たんだ。いくらか痛みが和らいだようだ。」とのこと。ただ、お孫さんのテレビ代がかかる、とこぼしていた。滞在用客室のテレビは有料(90分100円)となっているようだ。翌日もやはり同じ湯船で、60歳前の男性が交通事故の後遺症ケアのために来ていると聞いた。さすがに「傷の鎌先」と知られる温泉である。効能は切り傷、骨折、打ち身、捻挫、神経痛、外科手術後の療養、交通事故後遺症のケアなど。32℃の100%源泉を加熱したナトリウムー塩化物―硫酸塩泉。自噴している珍しい源泉で、茶色の湯花が出る濁ったお湯と湯揉みしたような、やわらかい湯ざわりが特徴。昔は飲泉をしていたと思ったが、保健所の指導で許可を取っていないので、現在は飲泉可とは表示していないという。
 露天付きの大浴場が別にあり、内湯が3.5m×3.5mと広く湯ぶちが厚さ10cmもある檜造り。男性の露天風呂は岩風呂、女性用は檜湯ぶちで山渓の眺めがすばらしい。いわくありの洞窟より沸出している無色透明自噴の温泉を引湯しているため「洞窟の湯」という。肌がつるつるにする ことから「つや肌の湯」とも呼ばれるそうだ。四季折々の森林浴も楽しみながらの入浴で心と身体が癒される。時折、天然記念物のカモシカ等、 野生動物がひょっこり顔をだすこともあるとか。

鎌先温泉 時音の宿 湯主一條 夕食 夕食膳は、はぜの南蛮揚げ、アナゴの南蛮漬け、養老豆腐、鱒と昆布の松前漬け、和風ビーフシチュー、鮟鱇鍋など京懐石をベースにした創作料理。地元、蔵王の麓の食材をたっぷり使い、腕自慢の板長が丹精込めて作った贅沢な品々。お酒はさっぱり系の地酒・生蔵王をいただいた。
 豊かな自然に包まれた美しい、白石・蔵王の名湯に浸り、地酒と旬の味覚を心ゆくまで楽しむ。豊かな自然に抱かれたやすらぎの湯の宿は、今も多くの旅人に愛されている。
(2002年11月)

 
鎌先温泉 時音(ときね)の宿 湯主一條
(宮城県白石市)
■所在地:宮城県白石市鎌先温泉
■お問合わせ:0224-26-2151
鎌先温泉 時音の宿 湯主一條 昔の温泉街

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