マツノヒデマサの 療養温泉突撃取材記
貝掛温泉 貝掛温泉館 旅と温泉の相談室
貝掛温泉 貝掛温泉館
(新潟県南魚沼郡湯沢町)
ホテル詳細

●温泉泉質 36.8℃ナトリウム・カルシウム・塩化物泉(源泉掛け流し・加熱湯もあり・飲用可)
●温泉効能 眼病・眼精疲労・やけど・切り傷・神経痛・腰痛・冷え性・高血圧症・五十肩・病後回復など。
●湯治療養 眼病に効く温泉として江戸時代より知られる

目をいやす神秘な温泉 700年の時の流れと湯の流れ
庄屋造りの一軒宿 安らぎに浸る素朴な空間

 鎌倉時代より700年の歴史を誇る貝掛温泉は江戸時代から「目の湯」として全国的に知られ、日本3大「目の温泉」(他に福島県微温湯、神奈川箱根の姥子温泉)と名高い温泉である。越後湯沢から旧三国街道を戻った山あいにある一軒宿だ。1983年に初めて訪れ、私にとっては温泉巡浴275湯目の温泉。2004年12月15日、雪の時期で路面凍結が心配で電車・バスを利用しての3度目の訪問をした。途中、旧三国街道沿いの三俣共同浴場「街道の湯」で入浴し、そこからバスで移動する。シーズンオフの時期のため、バスの便は1〜2時間に1便という不便さで、1便逃したら大変なことになる。
 貝掛温泉入り口で下車、看板の案内に沿って、清津川渓谷に降りる。旧道の角には、赤い前掛けをかけた腕の線も朽ちかけるほどの古いお地蔵さんが愛嬌のある顔で迎えてくれる。清津川に架かる貝掛橋を渡ると正面に新・旧2棟の貝掛温泉が見える。かつては素朴な混浴の療養湯治場であったが、現在は改装も施されて、目の保養を兼ねた快適な保養温泉地にと変わっている。四季折々の自然の美しさに包まれていることが、さらに目に良い条件かもしれない。
 
 貝掛温泉の歴史は古く、鎌倉時代(1488年)高僧が発見したとも言われ、戦国時代上杉謙信の関東攻めの際、戦に傷ついた将兵等の“謙信の隠し湯”と知られていた。江戸時代の記録には2軒あった湯宿も今や1軒のみで、現オーナーの先々代が重い眼底出血で失明寸前になったとき、当時廃屋だった温泉に6ヶ月湯治して完治した。「このままつぶすのはもったいない」と権利を譲り受け貝掛温泉の営業を開始した。以来今日まで湯治宿・療養温泉として賑わいを見せてきた。

 源泉は36.8度のナトリウム・カルシウムー塩化物泉(含土類弱食塩泉)。効能は白内障、眼精疲労など眼病の他、高血圧症、神経痛、皮膚病、火傷、切り傷、冷え性、五十肩など。メタホウ酸やメタケイ酸を多く含んでいるため、目の粘膜や眼球を洗浄する効果があると言われている。昭和初期までは源泉を利用して「貝掛の目薬」も生産された時期もあったほどだ。

 まず浴室へ向かう。男性浴室には内湯大浴場の他に露天風呂が大小二つあり、大きい源泉岩風呂と加熱岩風呂がある。内湯は赤御影石造りの浴槽で、源泉風呂と加熱風呂がある。大浴場は天井が高く太い梁を巡らせてある趣ある空間。露天風呂は清流や木々の緑が湯船を囲み、大自然の中で入浴するような気分になる。夜には提灯で明るく照らされて、一層温泉情緒が深まる。女性用には露天風呂は加熱岩風呂のみとなり、男女は21時を境に入れ替えをしている。更衣室の床が床暖房なのはうれしい。

 入り口には源泉注ぎ口があり、湯の溜口で顔をつけて目を洗えるスペースを確保してある。常連客は慣れた様子で何度も目を洗う。ザバッと顔を湯に付けて目を湯の中でぱちぱちさせるのがコツという。源泉浴槽の入浴客は、湯がぬるいので少なくとも30分はゆったり気分で入浴できる湯だ。湯中の自分の身体をじっと見ていると気泡が身体にまとわりついているのが分かる。
 更衣室に清掃に来た女性従業員に「湯治や療養目的の宿泊客は多いですか」と聞いてみる。「毎月3〜4泊で湯治にみえる白内障の方など眼病の方がよく来ます。飲用に大きなポリ容器に源泉を入れて帰り、あとで1升ビン2本に源泉を入れて配送料込2500円でお送りしています。」昔に比べ医療も発達し、自宅近くに眼科医がいる時代にも「目の温泉」の効果は健在と言えるようだ。

 入浴の帰りに談話室「いろりの間」があり、14時から朝までめぐすりの木茶のサービスや書籍・新聞が用意されていたが、タバコの煙や匂いがぷんぷん。タバコが苦手な私は直ぐに目が痛くなる。「目の温泉」に喫煙の談話室というのはそぐわないかもしれない。この点だけは苦言を呈したい気分であった。
 湯治用の客室は6畳和室のトイレ・冷蔵庫なし、暖房・TV付。気長に眼病を湯治するため連泊する宿泊客も多い。現在は自炊ははやっていないが、湯治用の部屋の料金は連泊のことも考え低めに設定されている。一般客室は少し料金設定が高めでトイレ付の部屋もある。部屋の設備や時期などの条件で、宿泊料金が異なる。

 夕朝食はお食事処で用意される。山の幸と川の幸などの地の物をふんだんに生かした料理の数々。ご飯は魚沼自慢のコシヒカリ。え胡麻のセリ和え、あけびのおひたし、豆腐の茶碗蒸し、高麗人参や舞茸・ぜんまいなど山菜の天ぷら、ルイベのお造り、岩魚の塩焼きなど、珍しい一品一品が並ぶ。自然の味わいを活かした、湯治宿とは思えない上品な味わいの懐石風料理だ。
 この宿の自慢料理は、奈良時代に中国から牛乳を飲む習慣が伝えられ、僧達が鶏肉の牛乳煮を思いついたという「あすか鍋」。湯沢で育った比内地鶏に野菜・きのこ・海老などを煮込んだなかなかの美味。新潟の美酒「鶴齢(かくれい)」の杯もついすすむ。

 食事中にテレビ東京の取材があり、宿泊客に突然のインタビューがあり驚く。「湯治にいらしたんですか」「ここにはいつから・・・」「効能は・・・」などの質問を受けた。私は1年前からドライアイの症状があり、エアコンのある部屋では目が痛み、医者から保湿目薬を使用していること、昔からこの湯は眼病に効くと聞いていることなどを答えた。少しでも温泉の効能を知らせるのに役立ったなら幸いである。越後湯沢の奥深い場所にたった一軒、大自然の中にすっぽりと抱かれて、丸ごと森林浴をしているような宿。効能豊かな源泉と緑で目も心も洗われ、心身ともにリラックスさせてくれる秘湯である。

越後湯沢の山々の深層から湧き出る神からの贈り物「神立の水 感謝」

 貝掛温泉の帰りに、湯沢の手前の日帰り入浴施設越後湯沢温泉「神立(かんだつ)の湯」に立ち寄る。昨日、三俣共同浴場「街道の湯」に立ち寄った際に、近隣の食堂で飲用温泉水のペットボトルが置いてあるのを見かけ、効能などに興味を持ったためだ。
越後湯沢温泉 神立の湯 全景 1993年に地下1400mより湧き出した湯を非循環・非加熱の100%源泉掛け流しで使用。泉質は40.6℃・ph8.9〜9.4のアルカリ性単純温泉、無色透明・無味無臭の湯。主成分は、ナトリウム、カルシウム、メタホウ酸、メタケイ酸など。貝掛温泉と同じく、メタホウ酸・メタケイ酸による殺菌作用が眼病に効果的とされている。泉温を下げての洗顔で、白内障・眼底出血後遺症・眼性疲労・結膜炎の回復期などに適応する。 また、入浴ではアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患や、花粉症・腰痛・リウマチ・痛風などに効能がある。ナトリウム泉特有の湯ざめのしない、ポカポカと良く温まる湯だ。越後湯沢温泉 神立の湯 大浴場
 営業は年中無休(ただし毎週月曜日の午前中のみ休み)、平日は10時〜21時、土日祝日は10時〜22時。入浴料は大人1,000円・子供500円。ニューオータニが開発したNASPAスキー場に隣接しているため、シーズンにはスキー客の利用も多い。館内には長時間の運転やスキーでの筋肉疲労、高齢の方のための仮眠室もあり、畳の広間で全身を伸ばして寛ぐこともできる。
越後湯沢温泉 神立の湯 飲泉場 神立の湯は新潟県環境保健課・温泉療法認定医による温泉審議会で認可された、新潟県でも数少ない飲泉施設。建物の入り口に飲泉所と温泉スタンドが設置され、源泉を飲んだり、有料にて持ち帰ることもできる。PH8.9〜9.4の天然アルカリイオン水で、神からの贈り物と言われる温泉水。飲泉では慢性胃腸炎・胃・十二指腸潰瘍・便秘などの消化器疾患や、アレルギー体質や花粉症の体質改善にも効果があるとされている。美肌効果もあり、化粧水のように肌にスプレーしても良い。アルカリ度が高く素材の旨みを引き出すため、炊飯などの料理や、お茶やコーヒー・水割にも適している。現在「神立の水 感謝」温泉水ショップにて販売中。(2004年12月)





 
貝掛温泉 貝掛温泉館
(新潟県南魚沼郡湯沢町)
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温泉水ショップ 神立の水 感謝 飲む温泉水「神立の水 感謝」



病気に効く療養温泉ガイド
医者も驚く効能別名湯120選

野口冬人著
税込価格:1,575円(本体1,500円)/出版:二見書房
著者が自ら体験してその効能を実証した湯治効果抜群の温泉大集合。糖尿、アトピー、高血圧、動脈硬化症、痛風等に絶大効果。心臓病、貧血、筋肉痛等に対する温泉療養ガイドの決定版。
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