マツノヒデマサの 療養温泉突撃取材記
東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼 玄関
東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼
(宮城県大崎市)

●温泉泉質 74.6℃含食塩泉・芒硝重曹泉、
62℃純重曹泉(源泉掛け流し)
●温泉効能 美肌・筋肉痛・疲労回復・慢性胃腸病・眼病・健康増進
●湯治療養 連泊プランあり・市内の温泉療法医の紹介も可能

湯歴100余年伝承の名湯。掛け流しの湯を自分流に楽しむ「快浴快心」の宿。

 東鳴子温泉は、伊達藩政期には「御殿湯」も置かれた、650年の歴史を持つ由緒ある温泉地。10軒の宿に39本の多彩な源泉があり、昔ながらの自炊スタイルを今も守っている個性的な「重曹泉の郷」である。そんな昔ながらの温泉街の奥にある「旅館大沼」は、湯治を大切に残しながら一般客も受け入れている温泉宿として注目されている。今回は奥の細道を歩く旅の際に立ち寄り宿泊させていただいた。東鳴子温泉には1989年7月に田中温泉に初めて入浴(温泉巡浴491湯目)した。温泉街ではかつて泊まった「勘七湯」も懐かしい。

東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼 客室 チェックインの際にフロントで「山荘の露天風呂へご案内しますので17時50分に玄関でお待ちください」と言われた後に、2階「杉の間」に案内される。和室7.5畳のトイレなし、板張り広縁、冷蔵庫、洗面所、鏡台、金庫、エアコン付き。トイレは同じフロアの左突き当たりにある。天井は板張りの屋根型空間で圧迫感がない。トイレ付一般客室や湯治室も見せていただいた。
東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼 備長炭風呂「陽の湯」 荷を解き、4階まで階段を上っていく備長炭風呂「陽の湯」と薬石風呂「陰の湯」に入浴。4階からは今日歩いてきた温泉街の眺望が望める。
 62℃赤湯・純重曹泉で切り傷や火傷、疲労回復、皮膚病、肌のトラブルに特に効能があるとされる。貸切風呂としてそれぞれ鍵がかかり「陽の湯」は、浴槽が木作りで2m×1mの長方形。ウバメガシの備長炭を入れてあり、そのせいか板が黒ずんで見える。昔から土地の木を高めたり、清めたりするために使われてきたという。「陰の湯」は薬石をひとつずつ浴槽に埋め込み、石の形状によるツボ効果と石から出る薬効成分、遠赤外線が相乗効果でじっくりと効いてくるという。貸切なので他人が入ってくる心配もなくゆっくりと手足を伸ばせる。旅館大沼では8つのお風呂のうち6つが貸切風呂として利用できるため、湯歴100年の名湯を一人占めの「マイ温泉」が楽しめる。

 17時50分。玄関前から車で送っていただき、離れ山荘の露天風呂「母里(もり)の湯」へ行った。離れの「おおぬま公園」全体が宿のプラーベートスペースとなっていて、自然公園・貸切露天風呂「母里の湯」・茶室「緑清庵」・山荘「母里乃館(もりのやかた)」が建っている。
東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼 貸切露天風呂「母里の湯」 あたりは夕闇で暗くなる時間なので山荘「母里乃館」の全景がはっきりわからぬまま、露天風呂へ行く。山の傾斜に造られた貸切庭園露天風呂は木造の浴槽で2m×4mはある。泉質は含食塩・芒硝重曹泉。循環なし、塩素殺菌なしの純天然の源泉掛け流しだ。周りはぼんやりと行灯風のあかりで風情がある。自然に囲まれた野趣あふれる雰囲気で人気のお風呂だ。30分ほどのんびりして、お風呂場にある電話でフロントに連絡をして迎えに来ていただく。
 夜の入浴も風情があるが、どうしても明るいうちにももう一度入浴したいと思い、翌日は電車で岩出山まで行き、芭蕉の銅像を訪ねた後に、東鳴子温泉まで歩き、再度日中山荘の露天風呂に入れていただいた。やはり、明るい庭園露天風呂のほうが、開放的で自然のかすかな風を体に感じて癒しの濃度は最高であった。茶室や山荘はサークルやグループで貸切での利用も出来る。茶道の会や、俳句や短歌の会、ハーブ教室やミニコンサートなど幅広く地域に活用されている。

東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼 夕食 夕食膳は部屋でいただいた。前菜は鯖と海老に南瓜ムースに梅果肉、海老・レンコン・豆・南瓜のはさみ揚げ、大茄子・とうがらし・南瓜・海老の煮物、お造りは秋刀魚・鰹・赤貝・鮪、鮎の塩焼き、酢の物、肉・舞茸・南瓜の陶板焼、茶碗むしは底にゴマ豆腐が敷いてある。味もボリュームも満足だ。
 2階のフロアに自炊室があり、見せていただいた。自炊室は4.5畳ほどの部屋に、ガスコンロ3台、鍋、トースター、レンジ、冷蔵庫がある。はし・スプーン・しゃもじ・大根おろし器・包丁なども用意してある。

 夕食後、1階フロンと脇にある「アロマテラピー(芳香浴)ふかし風呂」に行く。今話題のアロマテラピーと温泉熱を利用したふかし風呂で、3畳ほどの広さ。3人用の枕が用意されて、床には竹ござが敷かれている。薬草や香料をかぎながら横になり、5分ほどで汗ばんでくる。
東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼 天女の舞東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼 薬師千人風呂 続いて、昔ながらの混浴大浴場「薬師千人風呂(天女大壁画)」に移動する。74.6度の泉質は含食塩・芒硝重曹泉。石造りで2.5m×5mの広さの浴槽で壁には、若手女流画家の高橋典子さんが描いた20人の天女の舞が楽しめる。男女別の更衣室があり、浴槽がおなじで、入浴中女性側の更衣室から、入浴者を確かめるドアの開く音が時々聞こえる。混浴をためらう様子だ。
 女性専用の浴室に「天女風呂(壁画)」がある。 もう一ヶ所、内庭露天風呂「石割の湯」にも入浴してみた。薬師千人風呂と同じ泉質で、3m×1.5mの変形岩風呂だ。外側にはすだれがたれている。大正時代以来の昔ながらのお風呂だという。旅館大沼の温泉は、すべて源泉掛け流しなのがすばらしい。

東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼 東鳴子温泉 旅館大沼の五代目湯守大沼伸治氏は、隣接する歓楽温泉街「鳴子温泉」に埋没しかねない東鳴子温泉活性化・地域づくりに熱心に取り組んでいる仕掛け人の一人である。「東鳴子ゆめ会議」を中心に、現代の湯治場つくり、自分たちが楽しんで誇りが持てる街づくり、御殿湯の復活を目標にしている。春から秋にかけての種まきから収穫を体験する「田んぼ湯治」、アートと音楽の数ヶ月に及ぶイベント「GOTEN GOTENアート湯治祭」、「重曹泉の郷」宣言、10月3日の重曹の日制定、各旅館で使う石鹸を無添加石鹸に切り替え、人も自然も楽になる温泉地を目指すなどマスコミにも取り上げられている。
 大沼氏は、これまでの活動を通じて一貫して「温泉の本質に戻るべき」との信念を強く持っている。温泉が持っている力の本質によって、お客様の体と心を癒す湯治場としての機能を重視していくこと。「東鳴子はお湯がいい。お湯のパワーをストレートにお伝えすることが大切だと思っています。」と語ってくださった。温泉を愛する人間として本当にそうした温泉場が増えて欲しいと私も思う。 (2007年9月)

 
東鳴子温泉 目の湯 旅館大沼
(宮城県大崎市)
■所在地:宮城県大崎市鳴子温泉字赤湯34
■お問合わせ:0120-268-891

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