マツノヒデマサの 療養温泉突撃取材記
肘折温泉 若松屋村井六助 旅と温泉の相談室
肘折温泉 若松屋村井六助
(山形県最上郡大蔵村)
ホテル詳細

●温泉泉質 43℃ナトリウム−塩化物炭酸水素塩温泉(源泉掛け流し)
●温泉効能 切り傷・慢性皮膚病・火傷・虚弱児童・慢性婦人病・神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・打ち身・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期など
●湯治療養 環境庁指定国民温泉保養地
温泉街に3ヶ所の共同浴場あり

いで湯の歴史を伝えこころを潤す温泉宿

 2005年9月2日、温泉学会第五回大会参加の折に、湯治場で名の知れた肘折温泉に向かう。新庄駅から借りたレンタカーが威力を発揮する。新庄温泉から国道458号線を南下し、大きなこけしのモニュメントの先で湯の台高原に突き当たる。右折してさらに肘折トンネルを抜けつづらおりに下ると肘折温泉に着く。
 肘折温泉は最上川と霊峰月山の間にある歴史ある湯治場で、いまだに湯治客が絶えない活気ある温泉地である。温泉の発見は、大同二年(807年)、一人の老僧が崖から落ちて、肘を打って苦しんでいた時、温泉に浸かった所、たちまち肘の傷が治ったことからこの名がついたと言われる。

肘折温泉 若松屋村井六助 源泉所 宿の若松屋村井六助にチエックインをし、4階の部屋で荷を解き、まずは肘折温泉街を散策する。狭い道路の両脇に土産屋と旅館がひしめき、旅館前には足湯や源泉所がある。鉄筋コンクリートに改装した宿も増えたが、昔ながらの木造の老舗旅館も残り、回り廊下の手すりには手ぬぐいが並ぶ湯治場らしい光景が見られる。
 薬師神社の階段を登りきったところに「湯座神社」がある。土俵があり、奉納相撲でもあるのか。ここから見下ろすと新築中の大穀屋が目を引く。階段下にはこの神社の由来が紹介されている。

肘折温泉 若松屋村井六助 石碑 「肘折は宝永6年(1709年)から20年足らずの間に、全村を消失する火事が3回もあり、鎮火の信心熱い秋葉山神社への祈願や夜回り活動の奨励で火事が無かった。さらに当時の村名「南山」にちなんで、「南山和尚」に碑文を願うことになった。南山和尚とは天下に名が届いていた仙台の瑞鳳寺の住職だった。
 村人が訪ねた日々は、丁度南山和尚は断食修行中19日目で、熱心な村人の熱意にほだされて断食を中断して大きな和紙に「火禾葉山」と書いた。村人は秋を逆に書かれた文字を見て、その訳を南山和尚に恐る恐る尋ねると「秋は紅葉なり、紅葉は全山紅く、それは大火を連想させるもの。それでわざと反対に書いたのだ」
 この神社の下にある石碑は、その書をそのまま彫ったもので、その書は今でも村井六助宅に保存されているそうだ。夜に若松屋村井六郎に帰り、玄関の左手にある部屋で新聞を読んでいるこの宿の主人に「ぜひ見せて欲しい」と懇願。すると「肘折いでゆ館の二階に現物大に墨でコピーしたものを展示している」とのこと。夕食後に歩いて「肘折いでゆ館」まで行き、すでに閉館となっていたのを無理を言って見せていただいた。

肘折温泉 つるや肘折ホテル 肘折温泉では宿泊ホテルのほか散策ついでに、「つるや肘折ホテル」と「優心の宿・観月」の2ヶ所で入浴をした。「つるや肘折ホテル」は、昔ながらの湯治場の雰囲気をよく残す本館の大理石風呂宝泉が素晴らしい。更衣室が別々で湯船は混浴、真ん中に大岩がどっしりと鎮座しその中から湯が湧き出ている。「優心の宿・観月」は、肘折唯一の展望露天風呂が川側にあり、開放感満点だ。エレベ−ターから下りて来た女性客は足に白い包帯をして介護者に肩を支えられていた。骨折に効くという伝統が今も生きているようだ。
肘折温泉 若松屋村井六助 源泉球体 散策は銅山川に沿った源泉公園に行った。小屋掛けの中にコンクリ造りの球体があり、そこから熱湯が注ぎ出ている。コップが二個の載せられていて、コップに注いで口にしてみる。強い塩味がする。さらに進むと大きなコンクリに覆われた源泉球体があり小さい三角窓が幾つかついている。そこから中を覗き込むと、熱湯が間断なくぼこっぼこっと勢いよく噴出しているのが見える。開湯1200年の歴史ある湯が今も変わらず湧き出している。自然の恵みにあらためて感謝する思いだ。

 夕食膳はお部屋に運んでくれた。新庄市最上川酒造の冷酒「最上川」でいただく。緑色に加工した数の子、あけびの蒸し物、むつの照焼きと味噌大葉巻き、お造りは鯛に鮪・帆立、鍋は豚しゃぶ、煮物は巾着・南瓜・細竹、茄子とネギが中心の「肘折おばあちゃんのつゆっ」など。「地産地消」を念頭に地元で採れた食材を使った身体に優しい献立だ。「ばあちゃんのつゆっ」はこの日は何だか判らなかったが、翌日5時30分から7時30分まで開かれる朝市を見て判った。各家庭のおばあちゃん自慢の食材と味付けが自慢の一品のようだ。
肘折温泉 若松屋村井六助 夕食 夜明けとともに開店する名物の朝市は、地元産の旬味が並び、地元の温かい人情の触れ合いが感じられる。(4〜11月開催/雪が積もる時期は終了となる)

肘折温泉 若松屋村井六助 朝市 425号室(いちょう)私の部屋は、8畳に広縁・床の間・トイレ付きで、冷蔵庫・テレビもある。畳も真新しく気持ちが良い。宿泊棟の本館にはエレベーターがあり、自炊棟別館へは2階で連絡される。電気やガス、鍋が揃う調理室があるが、今はほとんど使われていないようだ。湯治宿らしいな、と思うのは、案内書に「春の食祭り」のチラシがあり、山菜の薬用効果が記されていた。ふきのとう・・・咳止め・血液浄化、こごみ・・・むくみ取り・便秘解消、タラの芽・・・糖尿予防・肥満解消など。

 肘折温泉共同浴場の「肘折いでゆ館」では、毎週水・土曜日に肘折温泉療養相談所の荒木光昭先生による療養相談が行われ、温泉の正しい利用法についてのアドバイスをしてくれる。他に3ヶ所の共同浴場があり、宿泊者は、いずれも無料で利用できる。この温泉の泉質は、92℃ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、慢性消化器病、慢性便秘、糖尿病、痛風、腎臓病など。

肘折温泉 若松屋村井六助 黄金温泉カルデラ温泉館 川向こう2〜3km先にある黄金温泉も見逃せない存在である。黄金温泉カルデラ温泉館に立ち寄ってみる。珍しい炭酸泉で浴室の手前の正面に立派な飲泉所がある。ひしゃくで注ぎ口からでる湯を飲んでみると、サイダーのような味がする。浴槽は吹き抜けの開放的な木造の湯船で、客も少ないので気分がいい。隣接して岩組みの露天風呂もある。炭酸水の効能は、高血圧症、糖尿病、動脈硬化症、冷え性、皮膚の炎症、関節リウマチ、坐骨神経痛、運動器障害など。飲泉では、胃腸・肝臓・膵臓の働きを活発にする。神経や筋肉の興奮を鎮めたり、神経の緊張を改善する。

 肘折温泉郷周辺はカルデラ跡や湖沼、湿原だけでなく、素晴しいブナ林に包まれ、森林浴にも最適な自然環境にある。湯治療養と合わせて遊歩道の散策などでよりリフレッシュできる効果もある。また、観光面でも最上川舟下りの基地として賑わっている。山形新幹線が新庄まで延びたアクセス効果もあって、これからは山のいで湯効果を求める都会人の期待にも応えられる温泉地であろう。(2005年9月)
 
肘折温泉 若松屋村井六助
(山形県最上郡大蔵村)
ホテル詳細


病気に効く療養温泉ガイド
医者も驚く効能別名湯120選

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