療養温泉突撃取材 40弾
信州・小谷温泉
山田旅館
取材マツノヒデマサ  2005.10.19
 
 13年前の1992年9月に1日、雨飾山登山の折に小谷温泉太田旅館に宿泊した。雨飾山の名前の優雅さが気になり続けて、ついに登攀したなという気持ちが強く残った温泉と名山だった。
 2005年10月19日、白馬周辺の温泉巡浴をかねての小谷温泉の取材に出かけた。湯治宿の第一人者である山田旅館に当日宿泊予約をする。天候をみての登山者が多いせいか、あやうく宿が取れないところであった。 小谷温泉は、長野県松本から新潟県糸魚川にいたる国道148号線に沿った松本街道の県境に程近い雨飾山(標高1963m)の南麓にある歴史のある古い温泉である。中谷川を見下ろす標高850mの山懐に大湯元山田旅館が、木造三階建ての威容を見せている。三軒ある湯宿の中でも老舗旅館で、江戸期の建築された本館、別館など七棟が国の登録有形文化財に指定された。

 

「万国霊泉博覧会」 

二十一代当主山田誠司氏
 
 温泉の歴史は弘治元年(1555年)、武田信玄の家臣によって発見され、以来450余年の間、わが国屈指の温泉として知られてきた。明治時代ドイツで開かれた温泉博覧会で、日本を代表する四大温泉(別府・登別・草津・小谷)の一つとして内務省特選選出されたほどだ。打ち身、骨折、神経痛、火傷などに特に特効があり、万病に効く温泉として名声を高めた。二十一代目当主山田誠司氏に鍵を開けてもらい、民俗資料館を見せていただいた。昭和56年に開館した民俗資料館には、「万国霊泉博覧会」に出品された明治時代の板看板や古文書などの貴重な資料が展示されている。
 新館1階にある観音開きの戸を開けると男女別の更衣室がある。五段の棚があり、銭湯の雰囲気だ。奥に元湯浴室がある。タイル張りの浴室で、壁際には円筒状に囲まれた上から注がれる打せ湯がある。飛沫が外に漏れない工夫か?

元湯浴室

観音温泉開きの戸を
湯船の端に深さ5cmほどの寝湯もある。浴室で3人の年配の男性と一緒になった。それぞれに湯船の周りに三様の無言の動作で、一人は胡坐をかき腿をもんでいる。一人は足の裏をさすっている。一人はただ俯いてじっとしている。

別の時間に出会った蒲郡の男性に話を聞いた。「肝臓を半分切り、今年1月に腸ねん転の手術をしたばかりで、ここの湯は調子がいいんだ。家内と1週間の湯治だよ」蒲郡にも温泉はあるでしょと話を向けると「だめだ、あそこはただの塩水じゃ」女将さんの話では、「肝臓病、糖尿病、腎臓結石、骨折、神経痛、火傷、痔にいいようですよ」「湯は本館の方がいいようです」と早口で語ってくれた。

健康館・展望大浴場
 44.8℃のラドンを含むナトリウム・炭酸水素塩泉の湯は、無色透明で炭酸味、鉄味がする。コップが置かれていて、飲用での効能も強調されているようだ。新館地下一階にある健康館・展望大浴場とガラス窓で仕切られた露天風呂からの大自然の眺望はすばらしい。別館の湯の方が48℃と熱く、空気に触れた湯船の湯は茶褐色に染まっている。
 浴用で神経痛、慢性皮膚病(アトピー性皮膚炎)、創傷、運動麻痺、リウマチ、神経炎など。飲用で痛風、糖尿病、慢性消化器病、肝臓病などの慢性疾患。吸入で慢性気管支カタルなど呼吸器系の疾患に効能が認められる。
 私のお部屋は本館で、6畳和室でテレビ・小型鏡台付、隣とは壁仕切りだが、廊下側は襖仕切りになる。この並びはほとんど一〜二人用の客が多いようだ。つまり、療養か単独登山客が多いということか。深夜トイレに立つ人の足音やテレビの音で気になる人は落ち着かないかも知れない。気になる人は奥の別館を指定すると良い。湯治宿の本館・新館、一般客室の別館をあわせて48室、内和室が46室、洋室が2室ある。

本館和室

 夕・朝食は大広間でいただいた。隣には、関西から来たというハイキング目的の同年輩女性と隣になり、退屈をせずに楽しく食事を楽しめた。
 地酒の冷酒に螺貝などの先付、水菜の胡麻和え、竹の子などの煮物、金目の塩焼き、お造り、天ぷら、酢の物、漬物になめこの味噌汁など・・・。
 温泉の湯を利用した料理が食膳にのぼるそうで、今回はどれがそれなのかは解からなかった。日本海が近いせいか、以外に海の幸も美味、山峡の宿にして食膳はにぎやかだ。

夕食膳

自炊室へ
 自炊の部屋を見学に行ってみる。二階の廊下を回りこみ裏手の自炊室へ。

 12畳くらいの部屋の真ん中にテーブルがあり、炊飯器や食器、鍋が置かれている。周りに調理台、有料自動ガス器、フライパンなどの調理器、レンジ、冷蔵庫などが並んでいる。自炊室の外側にコインランドリーもある。ガス器とコインランドリー以外は無料で使用できるという。
 外の北側に薬師堂が見える。1階の売店の中を抜けて、お薬師さまに御参りをする。薬師堂の脇に箱に入った茶色の固まった土のようなものが入っている。湯の花を固めたものか?(2005.10 マツノヒデマサ記)
 
宿泊料金 大人おひとり様 
 1泊2食付きで、7,500円〜26,400円(税・入湯料込)
 1泊夕食付で、6,450円〜
 1泊朝食付で、5,400円〜
 1泊食事なし自炊 4,350円〜
 ※ お申し込み人数や宿泊曜日、お部屋の広さにより、料金が異なりますので、お問い合わせ下さい。

お申し込み・お問い合わせは、現地
 〒399-9511 長野県北安曇郡小谷村中土小谷温泉
 小谷温泉大湯元 山田旅館 電話番号0261-85-1221
               FAX番号0261-85-1224
■アクセス
お車 長野自動車道豊科インターから、国道147・148号線経由で約75km、北陸自動車道糸魚川インターから、国道148号線経由で約35km
電車 JR大糸線小谷駅よりバスで約35分、終点後直ぐ

※記事内容は取材当時の情報のため、その後内容に変更がある場合がございます。


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